Strand bending Strain Analysis of Force-balance Helical Coil Using MgB2 Rutherford Cable
許 航, 野村 新一 （明治大）； 谷貝 剛 （上智大）； 新冨 孝和 （KEK）； 平野 直樹 （NIFS）； 仁田 旦三 （東大）
Abstract:二ホウ化マグネシウム (MgB2) 線材は、冷却温度が 20 K 付近で、臨界磁場は 7 T 程度あるため、SMES、MRI など磁気応用装置の超電導コイルの導体として期待されている。本研究では、MgB2ラザフォード導体を使用した1 MJ 級 SMES 装置用電磁力平衡ヘリカルコイルの製作可能性について検討している。電磁力平衡コイルとは、ビリアル定理に基づきエネルギー貯蔵に必要電磁力支持の最小化を実現したヘリカル巻線形状の超電導コイルである。しかし、ヘリカルコイルの巻線形状が複雑なため、MgB2ラザフォード導体素線に印加される曲げひずみによって臨界電流の低下が懸念される。そのため、MgB2ラザフォード導体を利用して電磁力平衡コイルを設計・開発する場合、事前にコイル化する過程で導体にかかる曲げひずみを解析する必要がある。一方、超電導コイルの製作手法には、熱処理した後に巻線するReact & Wind (R&W) 方式と、巻線した後に熱処理する Wind & React (W&R) 方式がある。それぞれの方式で超電導コイルを製作する時のMgB2ラザフォード導体の素線にかかる曲げひずみの発生量の解析手法も異なる。本発表では、1 MJ 級電磁力平衡ヘリカルコイルをW&R方式とR&W 方式それぞれの場合で製作する時に、MgB2ラザフォード導体の素線に印加される曲げひずみの解析結果を報告する。