静止型磁気冷凍システムに関する研究 ―コンセプトの検証―

Research on Static Magnetic Refrigeration System ― Verification of the concept ―


平野 直樹, 小野寺 優太, 三戸 利行 (NIFS); 川越 明史 (鹿児島大); 岡村 哲至 (東工大)


Abstract:磁気冷凍は、磁性材料に磁場変化を与える必要があります。また、大容量かつ極低温を磁気冷凍で冷却するためには、永久磁石の磁場強度だけでは不十分であり、低消費電力で強力な磁場を発生できる超伝導コイルの使用が不可欠です。本研究では、複数の高温超伝導コイルを用い、コイルへの通電電流を変化させることで磁場変化を発生させる静止型磁気冷凍システム(SMRS)の実用化を目指しています。超伝導コイルのエネルギー貯蔵特性を利用することで、電力系統からの大きなエネルギー入出力を必要とせず、省エネルギーで磁場変化を繰り返し発生させることができる磁気冷凍システムを検討しています。本発表では、外径63 mmのReBCOコイルの交流損失測定結果に基づき、高温超伝導コイルを用いた20 KをターゲットとしたSMRSの実現可能性について報告します。