余剰汚泥の熱分解を併用する磁化活性汚泥法による高負荷運転への対応

Magnetic activated sludge process adaptation to high loading condition with low temperature incineration of excess sludge


上原 賢宣, 酒井 保藏, 福田 芳樹, 荷方 稔之, 六本木 美紀 (宇都宮大)


Abstract:磁気分離による生物学的水処理法である磁化活性汚泥法は微生物の増
殖と自己消化をバランスさせて余剰汚泥引抜きを原則として行なわない有機排水
の浄化法である。高負荷条件に適用するとバランスする汚泥濃度が高くなり、運
転困難になる課題があった。本研究では、余剰汚泥を引抜き、300℃前後の低温で
焼却することで、マグネタイトの酸化を抑制し、マグネタイトの再利用を可能と
する新たな磁化活性汚泥法の運転方法を提案する。そのため、5 Lのベンチスケ
ール実験装置を用い、連続水処理試験を行なった。3~5%/日の余剰汚泥を引き抜
き、低温焼却して、マグネタイトを反応槽に戻しながら、負荷1kg/(m3・d)の標
準活性汚泥法の上限の容積負荷で連続運転したところ、汚泥濃度を10g/L以下に
抑制しながら、上乗せ排水基準をクリアする良好な水処理を継続することができ
た。