基板自己抵抗加熱方式を用いて作製したBaHfO3添加YBa2Cu3Oy線材における磁束ピンニング特性

Flux pinning properties of YBa2Cu3Oy coated conductors with BaHfO3 fabricated by Substrate Self-heating Technique.


山村 太貴, 土屋 雄司 (名大); 一野 祐亮 (愛工大); 吉田 隆 (名大); 一瀬 中 (電中研)


Abstract:高温超伝導線材(REBCO)は、液体窒素N2を用いた65K以上での超伝導応用が注目されている。特に磁場中における臨界電流Icを向上させるために、REBCO線材に人工ピンニングセンターの導入が考えられてきている。さらに、REBCO線材には磁場印加方向によるIcの異方性の課題がある。本研究では線材の加熱方法に注目し、金属基板に直接電流を通電したジュール熱によって加熱を行う基板自己抵抗加熱方式を用いてBaHfO3添加YBa2Cu3Oy線材を作製し、磁場印加角度を変化させたときのIcの向上を検討した。その結果、基板自己抵抗加熱方式を用いて作製したREBCO線材に人工ピンニングセンターを導入することでIcの等方的な向上が確認された。今後、微細組織を観察するとともに、更なるIc向上のために厚膜化も検討しており、当日報告する予定である。