低コスト線材に向けたYBCO/LaNiO3積層構造におけるLaNiO3層の抵抗率評価

Resistivity evaluation of LaNiO3 layer in YBCO/LaNiO3 stacked structure for low cost CCs


舩木 修平, 長瀬 侑弥, 山田 容士 (島根大); 土井 俊哉 (京大)


Abstract:導電性を有する中間層を用いた,AgフリーなREBCO-CCに期待が寄せられている.本研究では,スパッタリング法でp型のLaNiO3薄膜を形成し,酸化性雰囲気でアニールしたLaNiO3薄膜及び,実際に上層にYBCO層を形成したLaNiO3層の抵抗率の変化を調査した.450ºCの設定温度で基板加熱し成膜したLaNiO3のas-grown膜,及びこれをPLD-YBCOの成膜環境,酸素アニール環境で熱処理した膜は,いずれも温度の低下とともに抵抗率が低下する金属的な振る舞いを示した.また熱処理後はas-grownに比べ抵抗率が低下し,5 mΩcm程度の低い抵抗率となることが分かった.実際にPLD-YBCO層直下のLaNiO3層の抵抗率を合成抵抗から算出すると,同程度の6 mΩcmであったことから,LaNiO3は上層にREBCO層を形成しても低い抵抗率を示す,有望な導電性中間層であると期待される.