REBCO溶融凝固バルクにおける酸素拡散機構についての再考

Reconsideration on the oxygen-diffusion mechanism of REBCO melt-textured bulks


元木 貴則, 布川 航太, 笹田 廉陛, 富久 琢磨 (青学大); 中村 新一 (TEP); 下山 淳一 (青学大)


Abstract:REBCO溶融凝固バルクは、強磁場を捕捉できるため強力超伝導磁石としての応用が期待されている。REBCO材料の特性として、酸素量を制御しキャリアドープ状態を最適にすることで高い超伝導特性が実現するが、溶融凝固バルクの場合は酸素拡散が遅く、通常数百時間という酸素アニールプロセスを要する。これまで我々は酸素アニール時の雰囲気に水蒸気を導入することでREBCO結晶内部に多数の積層欠陥が生成し、酸素拡散が大きく促進されることを報告してきた。しかしながら、見積もられる酸素拡散係数の値はバルクサイズに大きく依存することが分かってきた。これは則ち、溶融凝固バルクにおける実効的な拡散距離がバルクサイズだけでは決まらないことを示唆している。当日はこのような溶融凝固バルク体における酸素拡散について考察する。