直方晶GdNiSi1-xのSi濃度による磁気転移温度制御

Control of magnetic ordering temperature by Si concentration of orthorhombic GdNiSi1-x


小林 将己, 岡本 瑞稀, 松本 圭介, 平岡 耕一 (愛媛大); 郷地 順, 上床 美也 (東大)


Abstract: GdNiSiは13 Kで反強磁性転移による比熱のピークを示す。磁性蓄冷材として利用するには磁気転移温度を10 K以下にする必要がある。磁気転移温度を10 K以下にするためにNiサイトをCuに置換した研究によるとGd間距離が増加し、ピーク温度は上昇することが分かった。
 本研究ではGd間距離を減少させる事により、磁気転移温度が減少することを期待し、Si濃度を低下させた試料を作製した。その結果、磁気転移温度は予想通り10 K以下に減少した。GdNiSi0.9(x = 0.1)の体積比熱は、7 ≦ T ≦12 K で実用材料として知られているHoCu2の体積比熱よりも大きい結果が得られた。