Study for continuity of cooling operation of SPICA cryogenic system by adding refrigerant circulation system
楢崎 勝弘 （住重）
Abstract:SPICA (Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics) は次世代赤外線天文衛星として、2020年代後半に打上げる計画で検討されているJAXAのプリプロジェクトである。SPICAの冷却系は2.5ｍクラスの赤外望遠鏡を8K以下に、検出器をサブケルビンに軌道上で冷却するために、多段の放射冷却と多数、多段の機械式冷凍機システムにより構成される。最新の機械式冷凍機システムの構成は、断熱消磁冷凍機と吸着冷凍機の組み合わせたサブK冷凍機と、予冷機として2段スターリング冷凍機を3台有する各2式の１K‐JT（Joule-Thomson）冷凍機、４K‐JT冷凍機である。更に、望遠鏡の輻射シールドの冷却用に2台の2段スターリング冷凍機が搭載される。
ここでは、予冷機やJT冷凍機の劣化や故障時にSPICA冷却系の冷却運転の持続性を向上させる目的で検討しているガス循環システムに関して報告する。このガス循環システムのSPICAの様な機械式冷凍機システムへの追加は信頼性向上ばかりでなく、冷凍機の台数削減や冷却系の艤装設計の自由度も増加させるメリットがある。本報告では、ガス循環システムの概要からエンタルピーを用いた解析手法といくつかの計算例を示す。