Simulation results on shielding currents in ITER-TF joint samples
今川 信作 (NIFS); 梶谷 秀樹 (量研機構); 尾花 哲浩, 高田 卓, 濱口 真司, 力石 浩孝, 小野寺 優太, 高畑 一也 (NIFS); 松井 邦浩, 小泉 徳潔 (量研機構)
Abstract:ITER-TF接続部の結合損失を評価するため,ジョイントサンプルの表面にホール素子を取り付け,外部磁場コイルを遮断する際の磁場変化を測定した。接続部中央のホール素子に影響の大きい遮蔽電流ループは接続面を介して往復導体を流れるループである。この電流ループは接続部の半分の面積を2回横切るため,その回路抵抗は接続抵抗の4倍と考えて遮蔽電流による磁場の初期減衰時定数からインダクタンスを求めると,この電流ループの長さは0.30 m程度と求まる。また,この遮蔽電流は減衰が進むにつれて時定数が長くなる傾向にあることから,接続抵抗に電流値依存性があると考えられる。定量的な考察のため,接続部を跨いで往復導体に流れるループ(Loop1)と導体内の最終撚りピッチに流れる結合電流ループ(Loop2, 3)を考慮した電気回路モデルを用いて遮蔽電流の解析を行った。3本のジョイントサンプルに対して解析と実測を比較した結果,次のことが分かった。
(1) CIC導体の接続抵抗は低電流域では1/2から1/4まで低くなる。
(2) 接続部の素線間接触抵抗は平均値が1-10nΩと推測され,文献の値と整合する。また,極端に小さい抵抗で接触している素線対が存在すると考えられる。
(3) 接続抵抗の電流値依存性と素線間結合電流の影響により,遮蔽電流が作る磁場のみかけの減衰時定数はLoop1の回路時定数L/Rよりも少し長くなっていると考えられる。