Fundamental study on the fluid control enabling magnetic separation of paramagnetic substance
三島 史人, 野村 直希, 西嶋 茂宏 (福井工大)
Abstract:現在開発されている常磁性物質の磁気分離法においては、7T程の超電導磁石の強力な磁場と高勾配磁場を併用することが必要とされている。しかし、分離対象物となる常磁性物質は高勾配磁場形成用の強磁性細線表面に吸着されるため処理量が少なく、微量な有価物資源の回収などへの適用にとどまっている。本研究で提案する磁気分離法は、2T程の開放勾配磁場と磁気分離装置底部からの上昇流の流体制御を行うことで、常磁性物質の磁気分離を可能としている。具体的には淘汰管を用い、分離対象物に作用する重力とドラッグ力のつり合いを利用し、浮遊状態にある常磁性物質に直接磁気力が作用するように磁気分離法の高度化を図った。従来の超電導高勾配磁気分離法と比べ、適用する磁場が比較的低磁場のため、磁場発生源のボア径の拡大が可能であり、回収領域も広く設定できるため常磁性物質の高速大量処理も可能である。そこで本研究では淘汰管を用い、分離対象粒子を開放勾配磁場により磁気分離し、良好な分離結果を得たので報告する。