コンパクトなLTS-HTS低抵抗接続を実現するための接合構造の提案

A new concept of joint structure enabling compact low-resistance joint between LTS and HTS wires


伴野 信哉, 浅野 稔久 (NIMS); 加藤 丈晴 (JFCC); 前田 秀明 (理研)


Abstract:現在JST未来社会創造事業「高温超電導線材接合技術の超高磁場NMRと鉄道き電線への社会実装」の中で、1.3GHz NMRシステムの実現に向けて超伝導接続の開発が進められているが、NbTiなどの低温超伝導線材(LTS)とREBCO線材(HTS)との超伝導接続の実現は今のところ目途が立っていない。現状でLTS-HTSの低抵抗化を実現するためには、はんだを用いて両者を接続する方法において、線材間の接合長さを増大させることが有効であるが、1.3GHz NMRの減衰時定数の要求を満足するためには、1接続当たり少なくとも10^-10Ωの接合抵抗値を満足する必要があり、そのためには5 m以上の長さの接続が必要となる。これは設置の観点から実現困難であり、新たな接合方法を開発する必要がある。本研究は、その解決策の一つとして、REBCOテープ線のひずみ特性とNbTiと超伝導はんだの超伝導接続技術を生かし、コンパクトなLTS-HTS低抵抗接続を実現するボート型の接合構造の提案を行う。加えて、REBCOテープの超伝導接続の困難さを示す結果として、REBCO層とはんだの反応性について微細観察を通じて調べた結果を示す。