Fabrication of nanoparticle-doped TFA-MOD (La2-xBax)CuO4 films
齋藤 優大, 太田 順也, 作間 啓太, 三浦 正志 (成蹊大)
Abstract:これまで我々は、TFA-MOD法を用いて磁束ピンニング点としてREBa2Cu3Oy(REBCO)薄膜内部にBaZrO3ナノ粒子を導入し、高い磁場中臨界電流密度(Jc)特性を得ることに成功してきた(M. Miura et al., NPG Asia Materials 2017)。また、ナノ粒子の鉄系超伝導薄膜への影響を調べるためにPLD法によりBaZrO3ナノ粒子導入BaFe2(As1-xPx)2(Ba122)薄膜を作製し、高い磁場中Jc特性を得ることに成功した(M. Miura et al., Nature Commun. 2013)。近年、磁束クリープを考慮したナノ粒子導入超伝導薄膜のJc解析モデルを構築し、REBCO及びBa122のJcを理論的に説明できることを報告してきた(M. Miura et al., SUST 2019)。しかしながら、このモデルの更なるユニバーサル性を確認するためには、ナノ粒子が様々な超伝導材料の磁場中特性に及ぼす影響を検討する必要がある。
そこで本研究では、超伝導材料として銅酸化物である(La2-xBax)CuO4 (LBCO)を選択し、TFA-MOD法を用いてBaZrO3(BZO)ナノ粒子の導入を試みた。最適作製条件および最適オゾンアニール条件で作製したBZO導入LBCO薄膜は、Tc=23.4Kを示した。当日は、成膜条件やオゾンアニール条件が結晶性や超伝導特性に及ぼす影響について報告する予定である。