人工衛星搭載用5Wパルス管冷凍機の開発

Development of 5W class pulse tube cooler for space use


平塚 善勝, 大塚 清見, 恒松 正二, 金尾 憲一, 楢崎 勝弘 (住重)


Abstract:住友重機械工業株式会社(SHI)は、地球観測衛星「しきさい」、「HISUI」、科学衛星「すざく」、「かぐや」、「あかつき」、「ひとみ/軟X線撮像検出器(SXI)」の出器やシールド用冷凍機として、単段スターリング冷凍機を使用しています。また、超電導サブミリ波リムエミッションサウンダー(SMILES)やX線科学衛星「ひとみ/軟X線分光像検出器(SXS)」には、2段スターリング冷凍機とJT冷凍機からなる4K冷凍機を搭載しています、宇宙用冷凍機には、高い信頼性、小型、軽量、高効率、低振動が求められます。SHI製の単段スターリング冷凍機の性能は、50 Wの電気入力で冷凍能力2.2W at 77Kあります。近い将来、観測精度を向上させるためにセンサーの数を増やすことを計画しており、これに伴い冷却能力を上げる必要性が出てきます。4K冷凍機も同様な要望があります。パルス管冷凍機の膨脹器は可動部がないため、冷凍機の信頼性に有利で、さらに、膨脹機の振動を抑制するためのアクティブバランサーが不要です。2017年から、新しい圧縮機を含めて77Kで5Wの冷却能力を持つ単段パルス管の開発を開始し、3種類の膨脹機(インライン型、U字型、同軸型)の試験を行いました。本報告では、冷却器設計と性能試験結果について説明します。