伝導冷却超電導応用機器に向けた柔軟性極細Nb3Al超電導線材の臨界特性測定

Measurement of the critical properties of very small diameter and flexible Nb3Al wires for the conduction-cooled superconducting applications


木村 諒, 福田 響, 井上 良太, 植田 浩史, 金 錫範 (岡山大); 菊池 章弘, 飯嶋 安男 (NIMS)


Abstract:NbTiに代表される低温(金属系)超電導線材は,臨界温度が低い(9.5 K)ので戦略物質である液体ヘリウムで運転される.一方で,Nb3SnやNb3AlなどのA15型化合物線材の臨界温度は,約18.3 KとNbTiより高いため,冷凍機による伝導冷却での運転が有望である.耐ひずみ特性に優れたNb3Alは,線材加工が難しく,まだ実用化に至っていないのが現状である.しかし,最近,国立研究開発法人物質・材料研究機構の研究グループにより,従来のものと比較して線径が非常に小さく,さらに柔軟性を有している新しい形状のNb3Al線材の研究開発が進行中である.そこで我々は,この最新のNb3Al極細線材を用いて液体ヘリウムを使用しない冷凍機伝導冷却運転方式による超電導応用機器の開発を目指した研究を行っている.本研究では,開発中の柔軟性極細Nb3Al線材の臨界温度や臨界電流などの臨界特性についてGM冷凍機を用いた伝導冷却装置とSQUIDを用いて実験的に検討したので,その結果について報告する.