Microscopic theory of complex conductivity, depairing current, and nonlinear kinetic inductance of superconductors and the effects of subgap states
久保 毅幸 (KEK)
Abstract:低温超伝導体の物理は、超伝導加速空洞、超伝導単一光子検出器、超伝導力学インダクタンス検出器、超伝導量子コンピュータなど、現代の様々な超伝導デバイスの動作原理や性能と密接に関係している。これらのデバイスの開発には超伝導理論を使用する必要があるが、ギンズブルグ・ランダウ(GL)理論はTc付近でしか正しくないため、これらのデバイスが用いられる温度領域(T<<Tc)では役に立たない。最低でもBCS理論が必要である。本講演では、BCS理論に基づく複素伝導率・対破壊電流・非線形力学インダクタンスの計算を示すとともに、サブギャップ状態密度の影響を議論する。計算は「全温度領域」及び「対破壊電流以下の全電流値」に対して行った。本研究は、Physical Review Research 2, 013302 (2020)及びPhysical Review Research 2, 033203 (2020)において出版済みである。