Fabrication and evaluation of YBa2Cu3Oy + BaHfO3 thick coated conductors using self-heating system in Pulsed Laser Deposition method
一野 祐亮 （愛工大）； 佐藤 航, 中村 祐介, 土屋 雄司, 吉田 隆 （名大）
Abstract:近年ではREBa2Cu3Oy（REBCO）線材の実用化に向けて、「磁場中においても高いIcを持つ線材」が求められている。これは、成膜時における膜表面温度の低下抑止とREBCO膜内に人工ピンニングセンター (APC)を添加することで達成可能である。本研究室では基板自己加熱方式により基板を加熱し、成膜時における基板温度Tsのフィードバック制御(FBC)により膜表面温度の低下抑止を試みた。また、磁場中特性向上のためにAPCとしてBaHfO3を添加した。本研究では、基板自己加熱方式を用いて無添加及びBaHfO3添加YBa2Cu3Oy (YBCO)線材を作製し、膜厚に対する結晶性や超伝導特性を評価した。その結果、基板自己加熱方式を用いたTsのFBCを行うことで、YBCO線材の厚膜化におけるa軸配向粒発生を抑制し、結果としてIcが845 A/cm-w@77 K, SFまで向上した。さらに、BHO添加をすることでYBCO膜の磁場中特性が向上した。当日は基板自己加熱方式を用いてTsのFBCを行って作製した膜厚8 µmの無添加YBCO線材のIcと膜厚が3.0 µmのBHO添加YBCO厚膜の磁場中特性についても報告する。