コイル最外層に金属リングを施した無絶縁高温超電導コイルの熱的安定性に関する研究

Study on the thermal stability of non-insulated HTS coil with a metal ring on the outermost layer of the coil


西川 大亮, 小林 大剛, 宮本 康平, 井上 良太, 植田 浩史, 金 錫範 (岡山大)


Abstract:無絶縁巻線技術により高い熱的安定性が得られることが明らかになり、多くの高磁場発生用超電導マグネットにこの巻線技術の採用が検討されている。従って、我々は無絶縁高温超電導コイル内の局所的な常電導部発生に伴う電流分流特性などについて実験的に検討してきた。一方、無絶縁高温超電導コイルの冷却と昇温に伴う機械的変形を抑えると同時に常電導転移に伴う電気エネルギーを消費させる目的として保護用の金属リングをコイルの最外層へ設置することを提案し、その有効性について検討している。そこで、本研究では、REBCO試験コイルに銅で作製した金属リングを施すことで金属リングの有無による液体窒素中での試験コイルの電気的・機械的特性について実験的に検討したので、その結果について報告する。