YBa2Cu3O7-δ薄膜を用いた力学インダクタンス検出器の開発

Development of YBa2Cu3O7-δ -based microwave kinetic inductance detectors


三上 光瑠, 林 幹二, 飛沢 健 (豊橋技科大); 中島 健介 (山形大); 有吉 誠一郎 (豊橋技科大)


Abstract:電波の物質透過性と光波の直進性を併せもつテラヘルツ(THz)波は、0.1~10 THzの周波数帯(波長: 3 mm~ 30 μm)に位置する電磁波であり、高空間分解能でありながら人体に無害であるため、非破壊・非侵襲イメージングへの応用が期待されている。量子型検出器である力学インダクタンス検出器(MKID)は、周波数分割多重化方式により単一の読み出し線からTHz波入射による信号の全画素同時読み出しが可能である。
 我々は超伝導転移温度が最高93 Kに達する高温超伝導体YBa2Cu3O7-δ(YBCO)に着目し、液体窒素温度(77 K)以上で簡便動作が可能なMKIDの実現を目指している。本研究では、Rewound型の共振器形状に焦点を当て、YBCO製MKIDの電磁界解析を行った。その結果、MKIDの線幅・線間隔の変化による負荷Q値と透過強度の依存性を明らかにした。作製したYBCO製MKIDの温度依存性や解析結果との比較の詳細は講演にて報告する。