高温超電導スケルトンサイクロトロンにおける可変出力エネルギーを考慮した遮蔽電流磁場の数値解析

Numerical evaluation of screening current-induced magnetic field considering variable output energy in HTS coil system for Skeleton Cyclotron


白井 航大, 緒方 隆充, 石山 敦士 (早大); 植田 浩史 (岡山大); 野口 聡 (北大); 渡部 智則, 長屋 重夫 (中部電力); 福田 光宏 (阪大)


Abstract:α線核医学治療はα線放射RIを用いたがん治療法であり、遠隔転移などの進行がんに対する治療法として期待されている。我々はα線核医学治療に用いる211Atを安定に製造できる超小型かつ高強度な加速器である、高温超電導スケルトンサイクロトロン(HTS-SC)の開発に向けて研究を行ってきた。HTS-SCの最大の特徴は、出力エネルギー可変に伴う多機能化である。これによりα線核医学治療用211Atの製造だけでなく、PET用RI製造やBNCT用中性子照射も可能になる。HTS-SCでは粒子加速面において空間的・時間的に高精度な磁場が要求されるが、REBCO線材に誘導される遮蔽電流に起因する磁場が、発生磁場の質を悪化させてしまう。そこで、HTS-SCの小型実証用モデルである、Ultra-Baby-Skeleton-Cyclotron(UBSC)を試作し、電磁的・熱的・機械的振る舞いを確認する予定である。
本研究では、UBSCを対象に、出力エネルギー可変時の遮蔽電流の振る舞いを数値計算し、遮蔽電流磁場の磁場均一度への影響評価を行った。