高温超伝導SQUIDを用いた板材のガイド波試験技術 -その1-

HTS-SQUID-based ultrasonic guided wave testing on boards -No.1-


廿日出 好, 東 雄貴, 渡邉 敬祐 (近大)


Abstract:本研究では、対象を板材とし、HTS-SQUIDグラジオメータをセンサに用いる磁歪式ガイド波試験技術の研究を行った。アルミ、鉄、CFRPの板材を用意し、板全幅をカバーするように磁化したニッケル薄板を貼り付けて送受信部とした。送信部には楕円形励振コイルを配置し、受信部のニッケルの上にSQUIDグラジオメータを縦置きにしてリフトオフ約9 mmで設置し、ガイド波由来の磁気信号分布を計測できるシステムを開発した。まず、アルミ、鉄、繊維構成を変えた数種類のCFRPに対してガイド波送受信試験を行い、ガイド波の減衰の材料依存性を調べた。この結果、ガイド波の減衰係数は鉄>アルミ>>CFRPの順となり、金属と比較してCFRPは1桁以上ガイド波減衰係数が大きく、伝達距離が短いことがわかった。各サンプルについて、センサの位置を変えながら全体検査を行った結果、端効果は現れたが、およそ板材の幅にわたって均一に近いガイド波発生分布が計測された。