磁気分離法による火力発電所ボイラー給水中の酸化鉄スケール除去 ~大規模実験~

Removal of Iron Oxide Scale with Magnetic Separation from Boiler Feed-water in Thermal Power Plant - Large Scale Experiment-


秋山 庸子 (阪大); 山本 隼也 ((元)阪大); 三島 史人, 西嶋 茂宏 (福井工大); 岡田 秀彦, 廣田 憲之 (NIMS); 松浦 英樹, 難波 正徳 (四国総研); 関根 智一 (荏原工業洗浄)


Abstract: 火力発電所のボイラー給水系では,配管の腐食によって酸化鉄スケールが発生し,発電効率低下の一因となる。本研究では全揮発性物質処理(AVT)を採用している火力発電所を対象とした高勾配磁気分離法を用いたシステムについて検討した。高勾配磁気分離法では磁気フィルターの洗浄が課題であったが,我々は,火力発電所の連続稼働中はフィルター洗浄を行わず,流入する粒子を2年間保持し続けるシステムを提案した。火力発電所の給水系及び化学洗浄系統への高勾配磁気分離装置導入に向け,小規模体系(フィルター直径φ50 mm)と大規模体系(フィルター直径φ300 mm)で磁気分離実験を行い,大規模HGMS装置の実現可能性の検討とスケールアップに伴う影響を調査した。その結果,粒子の捕捉量がフィルターの断面積におよそ比例することが示され,小規模実験の結果が大規模実験にも適用可能であることが示された。