ITER-TF接続サンプルの接続抵抗の電流値依存性

Dependence of joint resistance on current for ITER-TF joint samples


今川 信作 (NIFS); 梶谷 秀樹 (量研機構); 尾花 哲浩, 高田 卓, 濱口 真司, 力石 浩孝, 高畑 一也 (NIFS); 松井 邦浩, 小泉 徳潔 (量研機構)


Abstract:2018年までに8本のITER-TF接続サンプルの抵抗値測定試験を実施した。接続サンプルは,長さ1.5 mのケーブル・イン・コンジット導体2本の下部がITER-TF実機と同じ接続部形状になっており,この部分はコンジットが除去され,縮径された撚線が銅スリーブに圧着されている。接続長は440 mmで最終撚りピッチ長に相当する。上部は,100 kA電流リードに接続される銅ブスバーと低抵抗で接続するため下部と同様の接続部形状であるが,試験装置の高さ制限のため接続長は325 mmに短縮されている。電圧端子は,中央の通常部300 mmの中央と両端のコンジット表面に6点ずつ取り付けられており,各位置における往復導体間の電位差から下部接続部の接続抵抗を求めている。インダクタンスと渦電流の影響を排除するため,電流値1, 15, 30, 45, 60, 68 kAで3分間保持して電位差を測定し,各位置6点の平均電位差の電流値依存性(勾配)から抵抗値を求める方法により,nΩレベルの抵抗測定を可能としている。低電流域での電圧挙動を調べるため,3つのサンプルにおいては3, 6, 9, 12 kAでの測定も実施した。全てのサンプルにおいて,電流値の増加に伴って電圧端子間の電位差が0.01 mV程度に拡大し,15 kAあたりからは飽和する現象が観測された。また,電位差の増加率が低電流域では小さい現象も共通して観測されており,その挙動を説明するとともに要因について考察する。