ハイパーサーミア用高周波電磁石試作機の冷却設計および直列共振補償キャパシタバンクの設計

Design of a Cooling System and Series Resonance Compensation Capacitor Banks for a High-Frequency Magnet Prototype for Magnetic Hyperthermia


許 航, 野村 新一 (明治大); 磯部 高範 (筑波大)


Abstract:ハイパーサーミアとは,癌細胞を加熱して死滅させる治療法であり,生体組織の温度を選択的に上昇させるため,磁性体を高周波で誘導加熱させる方法が研究されている。本研究では、ハイパーサーミアのため、有効な高周波磁場発生装置の設計と試作について検討している。目標は、利用空間中心に0.06 T 、200 kHz の磁場を発生する。今回は、高周波電磁石の設計手法を確認するため、70 mm × 79 mm × 10 mm のフェライト 100 枚を利用して,利用空間 80 mm の高周波電磁石試作機を設計試作した。実験結果から、電磁石のインダクタンスは2 mH になる。計算により、60 Aの交流電流で励磁する場合、コイルの熱損失は42.3 kWとなり、コイルの冷却が必要となる。また、電磁石両端の電圧は163.4 kV となるため、電源の出力電圧容量を低減するために補償キャパシタを利用して直列共振回路を作る必要がある。発表では、コイルの冷却システムおよびキャパシタの静電容量の周波数特性に基づく高周波電磁石試作機の直列共振補償キャパシタバンクの設計結果について報告する。