Development of Double Pancake Coils consist of MgB2 Rutherford Cable – (3) Analysis of Ic Deterioration in the Rutherford Cables
谷貝 剛, 高尾 智明 (上智大); 新冨 孝和, 槙田 康博 (KEK); 駒込 敏弘, 塚田 謙一, 星野 昌幸 (前川); 平野 直樹 (中部電力); 恩地 太紀, 富田 優 (鉄道総研); 宮城 大輔, 津田 理 (東北大); 中島 健太郎, 繁森 敦 (岩谷産業); 濱島 高太郎 (前川)
Abstract:MgB2は、豊富に存在する元素からなる比較的新しい超伝導体であり、km級の長尺線がすでに市販されている。臨界温度が39K程度であり、常圧での沸点が20Kの液体水素冷却が可能である事から、水素社会の普及との相乗効果で冷却コストの相対的な減少が見込める。故に、MgB2線材の電気機器への応用は、より経済的な超伝導応用を可能にし、社会実装への期待が高まる。本グループでは、電力系統への再生可能エネルギーの導入促進に伴って発生する電圧変動を、MgB2ダブルパンケーキ(DP)コイルで構成される超伝導電力貯蔵装置(SMES)によって安定化する実証試験を行うべく準備を進めている。その過程において、ラザフォードケーブル製作工程で圧縮されると素線に凹みが生じ、それが原因になってIcが劣化する現象が確認された。これまでの研究で、X線CTを用いて凹み付近の内部観察を行ったところ、MgB2粉体を覆っているNbのバリアが破れ、MgB2が漏れ出すことで超伝導特性が劣化していると推定している。本講演では、拡張有限要素法を導入して、Nbバリアが破れる非線形現象を解析したので、報告する。