核医学治療用高温超電導スケルトン・サイクロトロンの開発(4)-実証用高温超電導小型マルチコイルシステムの機械特性解析-

Development of HTS Skeleton Cyclotron for nuclear medicine treatment (4) – Numerical simulation on mechanical behaviors of small demonstration model of HTS multi-coil system –


粟津 佑太, 金 錫範, 植田 浩史 (岡山大); 野口 聡 (北大); 渡部 智則, 長屋 重夫 (中部電力); 吉田 潤 (住重); 福田 光宏 (阪大); 石山 敦士 (早大)


Abstract:エネルギー可変で多種類の粒子を加速可能な高温超電導空芯型サイクロトロン(スケルトン・サイクロトロン)の開発に取り組んでいる。我々は,現在ビーム加速に要求される磁場分布を形成するマルチコイルシステム開発技術確立に向けて小型モデルの試作実験に向けた試設計を行っている。このコイルシステムを構成する高温超電導コイルは,高磁場化や高電流密度化により小型かつ高出力強度を実現できる一方で,コイルが経験する電磁力は著しく増加する。このことから,各コイルにおいては巻線内電磁応力による劣化防止,コイルシステムとしては支持構造及びコイル間の磁気的結合によって生じる電流挙動に起因した電磁力などの検討を行う必要がある。そのため,コイル保護や高磁場精度化において超電導線材を巻線・コイル化した場合の電磁応力等の機械的特性の把握,高強度機械・構造設計が要求される。本発表では,設計を行った小型モデルを対象に,数値解析によりコイルシステムに生じる電磁力および応力について評価したので,その結果を報告する。
なお,本研究の一部は科研費基盤研究S(18H05244)に依ったことを付記する。