フッ素フリーMOD法Y123配向膜への後熱処理による積層欠陥濃度の制御とJc特性の改善

Control of the stacking fault density and improved Jc by post-annealing for fluorine-free MOD Y123 thin films


権藤 紳吉, 元木 貴則, 下山 淳一 (青学大); 中村 新一 (TEP); 本田 元気, 永石 竜起 (住友電工)


Abstract:我々は、フッ素フリーMOD法で成膜したRE123薄膜に対して水蒸気を含んだ酸素気流中で後熱処理を行うことでRE247型の積層欠陥が導入され、低磁場下において臨界電流特性改善に有効であることを明らかにしてきた。欠陥が生成した薄膜は母相の超伝導特性が劣化し、磁場中特性が低下してしまうことや、還元雰囲気で熱処理を行うことで生成した欠陥が消滅することを報告している。今回我々は、多数の欠陥を生成させた薄膜に対する還元雰囲気下熱処理に着目し、酸素分圧と温度を変えて熱処理することで磁場中での臨界電流特性が改善することを見出したので報告する。当日は酸素分圧と温度に対する欠陥の安定領域についても議論する予定である。