MgB2多結晶材料の組織及び臨界電流密度特性に与える炭化水素ガス処理の影響

Structure and critical current density of MgB2 polycrystalline materials prepared with hydrocarbon gas treatment


前田 穂 (Kangwon 国立大); 金 正鎬 (Wollongong 大); 崔 世鎔 (Kangwon 国立大)


Abstract:MgB2超伝導体の磁場下の臨界電流特性は、炭素添加によって大きく向上することが知られている。しかしながら、その添加方法は単純ではなく、種々の添加剤の性質・特性に応じて、固相・溶液混合や液相・気相処理などの様々な手法の適用が可能であり、それ故に炭素の混入・分散手段が極めて多岐にわたる。従って、それぞれの添加方法による特性改善の本質的機構の探究や、最適化手法の構築・確立に関するさらなる知見の蓄積が、MgB2超伝導材料における重要な研究課題の一つとなっている。本研究では、添加剤として炭化水素のピレン(C16H10)を用いた気相処理に焦点を当て、MgB2多結晶材料の臨界電流密度特性や、特に組成及び微視的構造に及ぼす影響を評価した。