再生可能エネルギーの大量利用の鍵となるエネルギー貯蔵機能を有する超伝導ケーブルの可能性

Potential of Superconducting Cable with Energy Storage Function for Large-scale Introduction of Renewable Energies


東川 甲平, 木須 隆暢 (九大)


Abstract: 化石燃料の枯渇・地球環境問題への配慮・我が国の極めて低いエネルギー自給率を考えれば、太陽光や風力に代表される再生可能エネルギーの導入拡大は喫緊の課題であるが、これらの発電量は天候による時間変化が大きく、設備容量や周波数変動の問題から、現状の電力系統の受け入れ許容量はごく限られたものになっている。特に、再生可能エネルギーの大半を占めていくと考えられる太陽光発電では、曇りの日などの日射量の変化が急激であり、その変動の吸収には同容量程度の電池類が必要となるなど、再生可能エネルギー導入拡大の大きなボトルネックとなる可能性がある。そこで本報告では、超伝導ケーブルによって電力系統自体に高効率・高速・大出力のエネルギー貯蔵機能を与えるというこれまでにないコンセプトにより、再生可能エネルギー大量利用の制約を根本的に解決することを提案する。
 本研究は、NEDOの「エネルギー・環境新技術先導プログラム/未踏チャレンジ2050/革新的エネルギーネットワーク基盤技術の創製」の一環として行ったものである。