超音波透過信号を用いた室温環境下におけるREBCO線材の剥離診断
-空隙による厚み変化の検出-

Delamination diagnostic method of REBCO tapes using Ultrasonic waves transmission characteristic at the room temperature
-Detection of the thickness change in air gap-


冨塚 貴大, 二ノ宮 晃, 野村 新一 (明治大)


Abstract:REBCO線材はその強い異方性から、線材長手方向と厚み方向の機械強度は大きく異なるため、線材端部に引き剥がす力が加わると、部分剥離または剥離進展による全面剥離が生じ、超電導層の破壊に伴い臨界電流が著しく損なわれる。しかし線材内部の傷を直接計測する手段は無く、また臨界電流も極低温下で試験するまで把握できない。本研究では、AEセンサにより線材内部の状態を推定し、更に臨界電流をこの状態推定手法により室温環境下で評価することを目指している。
REBCO線材の健全部位と剥離部位の両状態を有する試料に、超音波透過特性と線材の厚みとを照合し、厚みの大きな変化を透過特性により検出できることが分かった。また、同一試料の液体窒素温度下における臨界電流特性と室温下の超音波透過特性とを照合した。本講演ではこれらの結果について報告する。