Current-Voltage Characteristics in Face-to-Face Double Stacked (FFDS) 1-mm-Wide REBCO Coated Conductor Tapes
木須 隆暢, 西宮 悠平, 東川 甲平, 鈴木 匠, 井上 昌睦 (九大); 衣斐 顕, 町 敬人, 和泉 輝郎 (産総研); PETRYKIN Valery, LEE Sergey (SuperOx Japan)
Abstract:希土類系高温超伝導(REBCO)コート線材は、モノリシックな超伝導層を幅広のテープに積層する構造を有する事から、線材幅に比例した大きな磁化が線材に誘起され、磁化損失の発生や、マグネット巻線における精密磁界の阻害因子となる。素線の磁化低減には、マルチフィラメント化や細線加工が有効であるが、細線化にともない局所的な不均一性の影響が顕著となり、素線のIcの著しい低下や、発生電界の局在を招くことから、電流輸送媒体としてのロバスト性や信頼性の向上が重要な研究課題となっている。筆者等は、REBCOコート線材の超伝導層同士を対向させて低抵抗接続を行うFace-to-Face Double Stack: FFDS構造によって、局所欠陥に伴う電界集中を低減でき、素線のロバスト性向上に有効である事を示した[1]。本研究では、REBCO線材の非線形電流輸送特性を記述するモデルを基に、FFDS導体構造におけるI-V特性の解析モデルを提案し、単一欠陥を導入したモデル素子による実験によってその定量性を検証すると共に、本解析モデルを用いて、1 mm幅の細線加工した線材に対し単一素線ならびにFFDS構造とした場合のI-V特性について考察した。
[1] T. Kiss et al., 30th ISS, WB6-6-INV, Dec. 14, 2017.