表面障壁の制御による超伝導三端子素子の可能性

A possibility of the superconducting three terminal devices by control of the surface barrier


佐野 京佑, 鈴木 雅斗, 丸山 晃平, 近藤 真生, 田中 雅光, 山下 太郎 (名大); 井上 真澄 (名城大); 藤巻 朗 (名大)


Abstract:近年、熱の効果を利用した超伝導ナノ構造トランジスタがMITの研究グループにより提案され、超伝導広帯域増幅器として注目を集めている。超伝導ナノ構造トランジスタは、ドレイン、ソース、ゲートの三端子を有し、ドレイン-ソースからなるチャネルに対し、ナノオーダで加工されたゲートが垂直に交わって構成される。このゲート-チャネル間の接合部をチョークと呼ぶ。ゲートからチョークの臨界電流値を超える電流が入力されると、チョークの超伝導状態が破壊され、この際に生じた熱をトリガーとしてチャネルの超伝導状態も破壊され大きな抵抗領域が生じる。これが提案された超伝導ナノ構造トランジスタの動作原理である。一方、我々の研究グループでは、チョーク部の臨界電流値以下のゲート電流にて数キロオームの大きな出力抵抗が得られることを実験的に確認している。本結果から、ゲート電流入力時の形状効果による局所的電流集中とその際のボルテックスの侵入に対する表面障壁の制御・低減によるチャネルの常伝導化の可能性が示唆される。今回、形状効果による局所的電流集中に着目し、超伝導三端子素子を評価した結果について報告する。