真空多層断熱材ブランケット端部の包みこみによる断熱性能の低下

Degradation of thermal insulation performance due to wrapping at the edge of multi-layer insulation blanket


大森 隆夫, 向 昂太郎, 中澤 祐貴, 大田 学 (帝京大)


Abstract:真空多層断熱材(MLI)ブランケットの端部を最外層のDAMフィルムで包み込む場合がある。これにより高温面と低温面を熱的に短絡することになり、熱侵入増加をもたらすと予想される。本研究では小型液体窒素タンク(直径120mm、高さ150mm)にMLIをスイスロール方式で巻き付け、円筒側面をカッターで切断し上下2つのカップ型MLIブランケットとした。この切断部(slit)は2つのブランケットが突き合わせ接続するところとなるが、突き合わせ部に隙間がなければタンクの熱負荷の増加が無いことを液体窒素の蒸発流量から確認した。次にMLIブランケット端部の包み込みを模擬するため、大きさ15mm×20mmに切り取った厚さ25μmの両面アルミ蒸着ポリエステルフィルム(DAM)をV字型に折ったものをMLIブランケット端部と液体窒素タンクの隙間に差し込んだ。この模擬包み込みを上下のブランケットに施し、液体窒素タンクの熱負荷増加を調べた。また包み込み接続部をDAMフィルムで覆う(patch)ことによる断熱効果なども測定したので報告する。