溶融水酸化物法を用いたREBCO-CCの超電導接合

Superconducting-Joint for REBCO-CC by molten hydroxide method


舩木 修平, 宮地 優悟, 山田 容士 (島根大)


Abstract:我々は水酸化物をフラックスに用いることで,RE123及びRE124を大気中において500ºC程度の低温下で合成できることを確認している.さらに,同手法により450ºCで合成されたEu123にはTwinが存在しないことから,酸素欠損無く結晶成長していることが示唆される.また,RE124は結晶構造中に2重のCu–O鎖を有するため,酸素欠損を生じない.そこで本研究では,水酸化物をフラックスに用いた酸素欠損の無いRE123及びRE124の低温液相成長反応を利用して,REBCO線材同士の超電導接合を試みた.本研究では水酸化カリウムの蒸気を反応促進に利用することで,大気下・525ºCの熱処理により接合部が金属的な導電性を示し,水酸化カリウムの量の増加とともにTconsetが約90 Kまで上昇することが分かった.しかしながら,いずれの試料も4 K下で0抵抗が確認されなかったことから,さらなる条件の検討が必要である.