Development of Production of SmBa2Cu3Oy long-length Coated Conductors.
~ Investigation of improvement production speed using REGREB technique~
松坂 陣, 後藤 大志, 土屋 雄司, 一野 祐亮 (名大); 淡路 智 (東北大); 松本 要 (九工大); 吉田 隆 (名大)
Abstract:REBa2Cu3Oy(REBCO)高温超伝導線材は、REBCO線材は従来の金属超伝導線材と比較すると線材加工が困難であるため、量産化が難しく高コストであることが課題となっている。したがって、REBCO線材の代表的な作製方法であるパルスレーザー蒸着(PLD)法では線材作製速度の高速化が求められている。このような研究背景より我々の研究グループでは、数10 m級REBCO長尺線材をPLD法により開発し線材作製速度の高速化を目指している。しかし、本研究室では当研究室ではこれまで1 cm四方の基板を固定した状態(静止系)での薄膜作製を中心に研究が行っており、基板を移動した状態(移動系)での線材作製に関する知見が少ない。そのため、本研究室の線材開発においてRtR-PLD装置を導入することで長さ数cm程度の短尺線材を作製は可能になったが、現状の作製環境では長さ数10 cm級の中尺線材の作製が困難であった。また、線材送り速度が0.04m/hと遅いことも長さ数10 cm級の中尺線材の作製が困難な理由である。したがって本研究では、長尺線材作製における現状のRtR-PLD装置の課題及び問題を明らかにしRtR-PLD装置の改良を行うことで長さ数cmから数10 cm級のSmBa2Cu3Oy(SmBCO)線材の作製し線材作製速度の高速化を試みた。また、新しい成膜法であるREBCO Growth using REBCO Buffer-layer (REGREB)法を提案することで更なる線材作製速度の高速化を試みた。結果、線材作製速度は0.45 m/hと約10倍近く向上させることに成功した。また長さ30 cmの中尺線材を作製しAg安定化層の成膜及び酸素アニールを適切に行うことで全長におけるIcの測定に成功した。当日は具体的に薄膜作製から線材作製を行う際の成膜技術に関する課題や問題について報告するとともにRtR-PLD装置の改良点、REGREB法の線材送り速度の高速化に対する有効性及び当研究室におけるSmBCO線材の線材作製速度及び性能の変遷について発表する。