磁気分離法による火力発電所ボイラー給水中の酸化鉄スケール除去
〜大規模実験〜

Removal of Iron Scale from Boiler Feed-water in Thermal Power Plant by Magnetic Separation
- Large-scale Experiment -


山本 隼也, 森 達也, 平松 まみ, 秋山 庸子 (阪大); 西嶋 茂宏, 三島 史人 (福井工大); 岡田 秀彦, 廣田 憲之 (NIMS); 松浦 英樹, 難波 正徳 (四国総研); 関根 智一 (荏原工業洗浄)


Abstract:火力発電所ボイラー給水系においては,配管の腐食によって酸化鉄スケールが発生し,配管表面に付着することで発電効率が低下する問題がある。そこで,超電導磁石を用いた高勾配磁気分離法によるスケール除去を検討してきた。本研究では水処理法としてAVT(All Volatile Treatment)を採用している火力発電所で生成する強磁性のマグネタイトを主成分とするスケールを分離対象とし,火力発電所への導入を鑑みた第一段階として,ボイラー化学洗浄系への導入を想定した大規模実験を行った。室温ボア直径400㎜の大型超電導磁石を用い,直径300㎜の磁気フィルターを用いて実用系の1/7スケールでの大規模実験を行った結果,1回の化学洗浄で排出される120kgのスケールを2台の実用スケールの装置でほぼ全て捕捉できる可能性が示された。