Theoretical estimation of maximum critical current density by flux pinning mechanism
松下 照男, 木内 勝 (九工大)
Abstract:近年、REBCOコート線材にナノ粒子などの人工ピンを導入することにより臨界電流密度の大幅な向上が図られており、どこまで到達できるのかという興味が高まってきている。ここでは電流が流れることによる運動エネルギーの上昇の影響を考慮して、磁束ピンニングによる臨界電流密度の理論的上限を検討した。ピンニング機構としては常伝導析出物による凝縮エネルギー相互作用を取り扱う。その結果、Londonの対破壊電流密度の67%まで達成できることが判明した。この結果はTinkhamの理論予想よりも大きく、ここではそうした違いが起こる物理的背景について議論する。