Significant difference in characteristics of a NI layer-wound coil using a new winding method and a NI double-pancake coil
末富 佑 (千葉大); 高橋 俊二, 高尾 智明 (上智大); 柳澤 吉紀 (理研); 前田 秀明 (科学技術振興機構)
Abstract:JST未来社会創造事業大規模プロジェクト型「高温超電導線材接合技術の超高磁場NMRと鉄道き電線への社会実装」において、永久電流1.3 GHz (30.5 T) LTS/HTS NMRの開発実証を目指している。HTSコイルを熱暴走から保護する技術が求められており、NI法が有力な候補であるが、永久電流コイルに必要なレイヤー巻コイルでは長い磁場遅れが発生するため適用できなかった。我々はこれまでに、NIレイヤー巻コイルで生じる長い磁場遅れは、層間に絶縁物質と銅のシートを挿入して回路構造を変化させる事で3桁短くできる事を示した。本発表では、層間に絶縁物質と銅のシートを挿入したNIレイヤー巻コイルとNIダブルパンケーキ巻コイルを液体窒素浸漬冷却下において通電試験を行い、磁場遅れと自己保護性の観点から特性を比較し、自己保護時のシングルターン領域が伝播する振る舞いが両コイルの間で顕著に異なる事を示す。また、NIレイヤー巻コイルにおいて液体ヘリウム冷却下で実施した高電流密度通電試験の結果も報告する。
本研究は、JST、未来社会創造事業、JPMJMI17A2、及び、理研の大学院生リサーチ・アソシエイト制度の支援を受けたものである。