Anomalous heat transfer across liquid-vapor interface around Lambda point in He II boiling under microgravity condition
高田 卓 （NIFS）； 木村 誠宏 （KEK）； 村上 正秀 （筑波大）
Abstract:落下塔を用いた微小重力下におけるHe II 沸騰実験の中でλ点近傍のデータにおいてのみ気泡が大きく成長せず、他の温度領域と比べて異常なまでに大きな熱輸送が気液界面で起きていることが示唆される結果を得た。直感的な理解では、λ点近傍では超流動ヘリウム中の実効的熱伝導率は小さく、これを反映して気液界面から除熱される量は減りそれに応じて気泡が大きく成長すると予想される。こうした直感的な理解からの大きく乖離する実験結果が得られている。 気泡は小さく、気液界面形状についても他の温度帯では安定な球形気泡が観測されるがλ点近傍のみ不安定挙動を見せる。 こうした結果に対して比熱の異常、気液界面における熱抵抗増大など、λ点近傍における様々な要因の効果について考察する。