JT-60SA用中心ソレノイドの冷却特性

Cooling Characteristics of Central Solenoid for JT-60SA


村上 陽之, 神谷 宏治, 夏目 恭平, 土屋 勝彦, 木津 要 (量子機構); 尾花 哲浩, 濱口 真司, 高田 卓, 高畑 一也, 今川 信作, 三戸 利行, 力石 浩孝, 岩本 晃史, 森内 貞智, 大場 恒揮, 鷹見 重幸, 野口 博基 (NIFS)


Abstract:JT-60SAの中心ソレノイドの冷却経路は、パンケーキ巻コイルの最外周からヘリウムを導入し、内層で折り返し再度最外周からヘリウムを排出する経路で、2層パンケーキを1経路で冷却する設計である。この場合、最内周に到達し熱くなったヘリウムが最外周の出口へ戻る間に、入口側のヘリウムと熱交換し再冷却されて排出されるため、冷却効率が悪くなる。また、モジュールは52層からなり、冷却経路(26本)はヘッダを介して並列に接続されるため、流路抵抗差により冷え残る部分が生じる恐れがある。
これまでに実施した4層試作コイル(冷却経路は2本)の冷却試験の結果、最内周の温度が一番高く、戻りのヘリウムが再冷却される現象が確認されたが、冷却は問題なく実施できることが確認された。52層の実機モジュールでも同様に冷却できることを確認するため、最初に完成したCS1モジュールを用いて冷却試験を実施した。
試験の結果、モジュール内の温度はほぼ均一に冷却することができ、冷却期間は3週間程度であることが分かった。これは、実機において冷凍機の能力とマグネットシステムの熱容量から決定される冷却期間1ヶ月に比べて短く、CSが冷却シークエンスのボトルネックにならないことが確認できた。
発表では、今回実施したCSモジュールの冷却試験の結果について報告する。