ハードウェア閉ループ試験によるRE-123線材の限流動作時過渡特性の評価とモデリングに関する検討

Transient Behavior in Fault Current Limiting Operation in RE-123 Coated Conductor Demonstrated by Hardware-in-the-loop Simulation and Its Modeling


東川 甲平, 浦崎 祥悟, 田島 正博, 井上 昌睦 (九大); 富田 優 (鉄道総研); 木須 隆暢 (九大)


Abstract:再生可能エネルギーの大量導入や電力自由化の流れから、電力系統の機能増強は重要な課題であり、超伝導限流器が期待されている。その中でも、RE-123線材に関しては、線幅や安定化層厚の自由度が高く、系統導入時の現象を把握しながら最適化していくことが特に効果的となる。そこで我々は、リアルタイムデジタルシミュレータを用いたハードウェア閉ループ試験により、限流動作時のRE-123線材の過渡現象を模擬することに成功している。本報告では、特に、鍵となる非線形電流輸送特性と熱的挙動を詳細に考慮することで、RE-123線材の限流動作時の過渡特性を定量表現することに成功したので報告する。以上の評価スキームにより、磁束フロー抵抗の発生から常伝導状態への遷移およびゼロ抵抗状態への復帰といった過程が定量的に明らかとなり、実際の系統導入時の現象を対象とした最適な導体仕様の検討とその検証に展開できることが期待される。