Carbon-Coated Boronを用いて作製したMgB2バルク超伝導体の超伝導特性の評価

Microstructure and Critical Current Density in MgB2 Bulk Fabricated with Carbon-Coated Boron


樋口 柾生, MURALIDHAR Miryala (芝浦工大); Jirsa Milos (Institute of Physics ASCR); 村上 雅人 (芝浦工大)


Abstract:本研究では、4.5 wt.% Carbon-Coated Boronを用いて作製したMgB2バルク超伝導体において、炭素含有量分布の均一性の研究を行った。直径20 mmのMgB2バルク超伝導体を上下6試料に切断し、SEMにより微細構造を観察、SQUIDにより超伝導特性を評価した。その結果、全ての位置において約35.5 KでTcを示す鋭い超伝導転移を示した。SEMでは、MgB2超伝導体の主なピンニングセンターとして、粒径200〜300 nmの粒子の分散を観察した。20 Kでの臨界電流密度は、全ての試料にて、自己磁場下で約330 kA / cm2、1Tで約200 kA / cm2、それぞれの試料で非常に均一であった。この結果は、Carbon-Coated Boronが、様々な工業的用途のための高品質MgB2バルク超伝導体の作製に非常に有望であることを示している。