単一磁束量子回路を用いた FPGAの実現に向けた 2-input Look-up tableの設計および評価

Design and evaluation of a 2-input Look-up table for realization of FPGA using SFQ circuits


荒木 美佳, 山梨 裕希, 吉川 信行 (横浜国大)


Abstract: 現在ではFPGAには、半導体集積回路が広く用いられているが、微細化技術の限界や発熱量、消費電力の増大等の問題がある。ここで半導体集積回路に代わる新たなデバイスとして、単一磁束量子 (Single Flux Quantum : SFQ) 回路が注目されている。SFQ回路は消費電力が半導体回路に比べ3桁程度低く、高速性においても数十GHzでの高速動作が可能であることが特徴である。高速動作性をもつSFQ回路でFPGAを実現させるための研究を行っている。
本研究においてSFQ回路でのFPGAの完全実装に向けて、まずLogic Blockの実装から行った。Logic Blockでは内部のLook-up tableによって論理状態を決定できる。2入力のLook-up tableを実現する回路の設計を行い、動作実証を行った。
シミュレーションによりこの回路では10GHzでの動作が可能であり、動作余裕度は80~125%を持つことを確認した。実際にこの回路の試作を行い、低速での正常動作を確認し、92~127%の動作余裕度を確認した。これにより十分な動作余裕度を持つ、2-input LUTの動作実証ができた。