高温超伝導SQUIDを用いた金属管のリモート非破壊検査手法の開発 -その4-

Development of remote NDE method for metallic pipes using HTS-SQUID -No.4-


増谷 夏輝, 寺西 祥汰, 政本 健, 兼永 翔矢, 廿日出 好 (近大)


Abstract:我々は、高温超伝導(HTS)SQUIDと超音波ガイド波を組み合わせた、配管のリモート非破壊検査技術の開発を行っている.本研究では、配管の周りでHTS-SQUIDグラジオメータを360度に渡って位置を変えながら、配管に発生させたT(0, 1)モード超音波ガイド波の多点計測を行った。サンプル配管としてアルミ配管を用いた。超音波ガイド波の送信器として、磁化したニッケル薄板とコイルを組み合わせた磁歪式送信機を用いた。受信部には磁化したニッケル薄板を管に接着し、その上にHTS-SQUIDグラジオメータをリフトオフ約3 mmで設置した。送信部側コイルに1 App,10〜60 kHz,0.5〜1サイクルの正弦波バースト波電流を流してT(0, 1)モードガイド波を発生させた。受信部のSQUIDグラジオメータは、管軸方向をz方向、管径方向をr方向とすると、dBr/dzを計測するように設置し、、管を回転させながら、管の周囲360度におけるニッケル上で発生するガイド波由来の磁気信号を多点計測した。この結果、時間と角度の平面における磁気信号強度のコンターマップが得られた。管に周方向欠陥を設けて多点計測を行った場合、欠陥位置とガイド波群速度から計算される時間に欠陥の反射波に由来する磁気信号が全ての角度で計測された。また、欠陥の長さに比例して磁気信号強度が増加することが示された。