加圧液体窒素の急減圧時における過熱状態に関する研究

Superheating of pressurized liquid nitrogen under rapid depressurized conditions


田中 順也, 武田 実, 前川 一真 (神戸大)


Abstract:水素を大量に貯蔵・輸送する場合、気体状態の約800倍の密度を持つ液体水素(沸点20.3 K)の状態で、貯蔵・輸送することにより高い貯蔵・輸送効率が得られる。しかし、外気からの入熱や輸送中の振動等により液体が気化して容器内の圧力が上昇し、最悪の場合には破裂の危険性が出てくる。このため、通常は安全弁や破裂板等を取り付ける。これらが作動した際の急減圧時においては、過熱状態を経て急激な沸騰現象が観測されるが、未だ明らかになっていない。本研究では、液体水素の貯蔵・輸送用容器及び安全弁の設計値等を把握するための予備的研究として、加圧液体窒素(沸点77.4 K)を用いて急減圧時における減圧特性、温度特性、蒸発特性を調べるとともに、気泡の発生状況を高速度カメラで観測したので報告する。