Planarization of metal substrate surface by MOD method for IBAD-MgO process
廣瀬 湧一, 敷田 達也, JHA Alok, 堀出 朋哉, 松本 要 (九工大)
Abstract:IBAD-MgO法においては金属基材としてハステロイ合金を用いるのが一般的であるが、ハステロイはNiを含むためやや高価であり、より安価なステンレス鋼等を用いることが検討されている。そこで本研究では第一ステップとして、未研磨の圧延ロール上がりのハステロイ合金やステンレス鋼上にMOD法によってY2O3アモルファル層をコーティングし、次工程のIBAD-MgO層形成のための金属表面の平坦化を行った。一般にIBAD-MgO層は層厚が4nm程度で最もよく配向するので、金属基板表面ラフネスは1nm程度に抑える必要がある。本研究ではY2O3コーティングを繰り返すことでこの目標をクリアすることを目指した。またその後、得られた試料に900℃、300mTorrの酸素分圧下にて熱処理を行い、表面観察を行った。その結果、1μmを超えるコーティング層にはクラックが発生したが、300nmではクラックが生じなかった。クラックは基材とY2O3との間で生じる熱ひずみに起因しており、臨界膜厚モデルで解析したところ現象をうまく説明できることが分かった。当日は、IBAD-MgO、CeO2、GdBCO層を形成した場合の微細組織等についても報告する。