銅メッキ付き多芯REBCOテープ線材で巻線された高温超電導コイルの遮蔽電流評価実験と解析

Experiment and numerical simulation on diffusion process of screening current in HTS coil wound with copper-plated mutifilamentary REBCO tape


植田 浩史 (岡山大); 石山 敦士 (早大); 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研)


Abstract:REBCO超電導線材を用いた高磁場コイルをNMRなどに応用する研究・開発が進められている。高均一・高安定な高磁場が要求されるNMRに適用する際に問題になるのが,遮蔽電流磁場である。遮蔽電流は,REBCO線材がテープ形状をしていることに起因しているため,REBCO線材をマルチフィラメント化することで,抑制される可能性がある。しかし,マルチフィラメント化REBCO線材は,機械的強度や熱的安定性を確保するため,銅メッキが施されるが,その結果,励磁の際に結合電流がフィラメント間を流れることになり,遮蔽電流分布や磁場に影響を与えることになる。そこで,本発表では,マルチフィラメント化REBCO線材をレイヤー巻あるいはパンケーキ巻で巻線した高温超電導コイルを対象に,巻線内電流分布,結合電流の特性長や磁場の減衰時定数について電磁場解析に基づいて評価し,既報の実験結果[1]と比較した。

[1] T. Ueno et .al. “The coupling time constant for a multi-filamentary REBCO coated-conductor solenoid”, Applied Superconductivity Conference 2016, 3LPo1L-05.