大気中への冷媒ガス放出時の流動ならびに酸素濃度変動に関する数値実験

Numerical simulation on time dependent behavior of atmospheric oxygen during a localized coolant gas spill


岡村 崇弘 (KEK)


Abstract:液体ヘリウムなどの極低温冷媒を用いた実験装置で何らかの問題が発生した際,その冷媒ガスは大気中へ放出されることがある.こうした冷媒ガスの放出に伴う流体挙動や酸素濃度の変化を定量的に理解することは,設備の安全設計並びに安全策を講じる際に極めて重要である一方,その挙動を実験的に明らかにすることは,報告事例がいくつかあるものの一般的には非常に困難である.そのため実験に代わって精度が検証された数値シミュレーションを行うことが有効的手段になりうる.本報ではこうした事例のシミュレーション方法に加え,冷媒ガスとして,ヘリウム,水素,アルゴン,窒素のそれぞれについて大気中へ放出された場合の周辺空気も含めた流体挙動ならびに酸素濃度の時間変動についてシミュレーションした結果について報告する.