ヘリカル型核融合炉FFHR-c1のマグネット支持構造物の非線形構造解析

Nonlinear multiscale structural analysis of a superconducting coil and support structure for the helical fusion reactor


田村 仁, 後藤 拓也, 宮澤 順一, 田中 照也, 柳 長門, 相良 明男 (NIFS); 伊藤 悟, 橋爪 秀利 (東北大)


Abstract:核融合研ではヘリカル型核融合炉FFHRの設計活動を行っている。FFHR-d1は自己点火を見込んだ定常炉で、装置の大半径15.6m、プラズマ中心磁場強度4.7Tに対し、健全性を確保したマグネット支持構造が示されている。現在、これまでの成果を元に、コストの削減と早期の核融合発電実証を目指して、装置を0.7倍の相似形に小型化し、磁場を7.3Tに増強したFFHR-c1が提案されている。電磁力は磁場強度の2乗に比例するため、板厚を含めた相似形では、発生する応力は2.4倍となり、構造材料の許容応力を超える。装置が成立するためには、支持構造の再設計とコイルを構成する超伝導導体や絶縁物の詳細な評価が必要不可欠である。そのため、超伝導線材から全体の構造までを構造非線形を考慮したマルチスケール解析により、構造の再構築とその詳細な応力分布評価を行った。