材料開発に向けた超高感度固体NMRプローブの開発
〜タイヤゴム中の硫黄架橋構造解明を目指して〜

Development of High-sensitive Solid-state NMR Probe for Materials Science: Toward Clarification of Rubber Vulcanization Mechanism with Sulfur


高橋 雅人 (理研); TRITRAKARN Techit, 加藤 翔太, 岡村 哲至 (東工大); 入江 晃太朗, 星 晴貴, 齊藤 敦 (山形大); 山田 和彦 (高知大)


Abstract:より高機能・高性能な材料開発に貢献するために、JST先端計測分析技術・機器開発プログラム「全原子を測定対象とする次世代型NMR装置の開発」(チームリーダー:高知大学 山田和彦)を行っている。実用材料中四極子核の結合状態や動的挙動を測定するNMR装置を開発し、現在でも未解明なタイヤなどゴム中の硫黄(33S)による架橋構造を解明することを目標としている。近年急速に発達している固体NMRは材料開発やライフサイエンスに使われつつあり、他の観測装置では測定不可能なアモルファス状態でも着目原子核から直接的に情報を得ることが可能である。しかし、四極子核の場合NMRスペクトルは非常に幅広になることが多く、従来のNMR装置では測定できない。そこで、従来とは全く異なる磁場掃引型超伝導磁石と超高感度な高温超伝導受信コイルを備えたNMR装置を開発中である。