Development of new bi-axially oriented buffer layers by MOD method
元木 貴則, 池田 周平, 小林 夏門, 中村 新一, JARENO Julia （青学大）； 土井 俊哉 （京大）； 本田 元気, 永石 竜起 （住友電工）； 下山 淳一 （青学大）
Abstract:Y系薄膜線材は、金属基板上に2軸配向した酸化物中間層を堆積させ、その上にYBCOをエピタキシャル成長させることにより作製される。中間層の成膜法としてはIBAD-PLD法やスパッタ法などの真空チャンバー内での成膜が主流であるが、非真空プロセスであるMOD法を用いた低コスト中間層の研究開発も近年盛んに行われている。
これまでに我々はフッ素フリーMOD法を用いて、原料溶液にハロゲン元素であるClやBrを添加することによりBa2Cu3O4X2 (X = Cl, Br)で表される酸ハロゲン化物がYBCO薄膜中に2軸配向して析出し、この酸塩化物がYBCOの結晶化を促進することで結晶性や超伝導特性を大きく改善することを明らかにしてきた。今回は、2軸配向表面を持つ金属基体上に載せる新たな2軸配向中間層の候補としてMOD法によるBa2Cu3O4X2酸ハロゲン化物や低温で高い導電性を示すペロブスカイト型類縁酸化物の成膜を試みた結果を報告する。